今回はテクニカル分析の基礎となっている、“ダウ理論”についてとなります。
ネット上には相場の読み方や相場を読むとはこういう事だ! みたいな記事が掲載されていますが、残念ながらふわっとしている記事があります。
そんなふわっとした内容では、ちゃんと理解して相場を読めているとは言いません。
では、相場を読むとは具体的に何を指すのかというと、“ダウ理論”です。
ダウ理論は多くの人が知っています。知っている中で相場という大衆効果を読みながら戦っているのが為替相場です。
つまり、ダウ理論を知らないだけで不利に働きます。為替相場に騙されてしまいます。
為替相場の中級者から上級者へのステップアップだと思って、ダウ理論がどういう理論なのかを理解してもらえたらと思います。
目次
ダウ理論とは
そもそもダウ理論とは、チャールズ・ダウ氏が19世紀の終わりに提唱した、為替相場に対する理論です。古い理論ですが、現在もテクニカル分析の基盤になっていて、多くの投資家が利用しています。
ダウ理論は“6つの基本原則”から構成されています。
6つの基本原則及び、ダウ理論への理解を深めることで、FXやバイナリーオプションといった為替相場だけではなく株にも活用できます。
では早速6つの基本原則を簡単に説明していきます。
①平均はすべての事象を織り込む
政府が発表する経済統計や企業の業績・更には自然災害の様な予測不可能な事象に至るまで、需給に関するあらゆる事象は全て市場価格に織り込まれる。市場価格はあらゆるファンダメンタル(材料)の反映であるという考えであり、その意味で効率的市場仮説の主張に基づいた考えとも言える。
(参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/ダウ理論)
ウィキペディアには上記のように記載されています。ですが、正直何を言ってるか分かりませんよね?
簡単に言うと、“政府の発表や経済指標や投資家の利食い損切りなど、あらゆる事でチャートは変動する”という事になります。
経済指標の発表があって、結果がよかったにしても、悪かったにしても、チャートをみていたら分かるという事ですね。
②トレンドには3種類ある
ダウ理論では、価格変動の分析において市場動向(トレンド)を重視する。そのトレンドを以下の3つに分類している。
これらのトレンドは互いに独立しているのではなく、二次トレンドは主要トレンドの調整局面であり、小トレンドは二次トレンドの調整局面として捉えられる。
(参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/ダウ理論)
こちらは見たままの解釈になるので、説明が難しいのですが、為替相場は長期足で見た時に上昇トレンドでも、下位足では下降トレンドの場合があります。
短期間、中期間、長期間の時間足によって、トレンドが変ってきます。
上昇トレンドでも押し目があり、下降トレンドでも戻し目があります。
一定ではないので、自分の手法にあった時間足の調整をしましょう。
③主要トレンドは3段階からなる
また、主要トレンドは買い手の動向によって3つの段階からなるとしている。
(参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/ダウ理論)
ダウ理論では、投資家の売買によって為替相場が上昇(下降)をするが、そのパターンは3段階あるとしています。
つまりどういう事なのかというと、
市況掲示板で、「天井でロング(買い)に入れてしまった」「底でショート(売り)してしまった」という書き込みを見かけますが、先行期と追随期を逃してしまった人になります。
トレードをする上で大事なのは、先行期と追随期になります。
④平均は相互に確認されなければならない
複数の平均的指標が存在する場合、その両者に同じシグナルが見られないなら明らかにトレンドとして捉えることは出来ないと考える。もっともシグナルが同時期に出現する必要はないものの、直近においてシグナルが発生していればトレンドとして捉えるべきであり、且つ可能な限り同時期に近ければ確定的としている。
ダウが活躍した時代のアメリカでは、工業生産が盛んになると共に製品を輸送するための鉄道が整備された時期であった。工業生産の好調・不振は即座に鉄道業の経営に影響したことから、ダウが創刊した『ウォールストリート・ジャーナル』ではダウ・ジョーンズ工業平均株価と運輸株平均をチャート形式で掲載している。
(参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/ダウ理論)
つまり、トレンドには相関性がないといけないという事です。
例えば、ドル円相場が上昇するとします。ドル円相場が上昇している時、ユーロドル相場は下降している。という具合に、相関関係にあるという事です。
また、相関関係を確認することで、トレンドの確認が取れます。
⑤トレンドは出来高でも確認されなければならない
市場の終値の変動をダウは重視するが、同様にトレンド発生の確認手段として出来高の推移も重視する。
例えば上昇局面においては値上がり時に出来高が増加し値下がり時には出来高が減少、下降局面においては逆になる。主要トレンドに従って取引する投資家が多数派であり、二次トレンドや小トレンドで利益を得ようとする投資家は少数派であると考え、それが出来高の多少に反映するとする。
(参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/ダウ理論)
これは、難しく考える必要はなく、トレンド発生する場合は出来高でも確認が取れますよっていう事になります。
上昇トレンドの場合、出来高が増加していて然るべき。また、下降トレンドの場合、出来高が減少していて然るべき。といった内容ですね。逆に、上昇トレンドの兆しがあった際に出来高の増加が確認できていない場合、“騙しサインの可能性があるから注意しましょう”という考えになります。
⑥トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
現在の市場で発現しているトレンドは、明確にトレンドの転換シグナルが現れるまで継続し続けるとする。トレンドに従った売買によって多くの投資家は利益を得るのであり、トレンドに逆らった売買で利益を得るのは難しい。
(参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/ダウ理論)
難しく考える必要はなく、上昇トレンドまたは下降トレンドは、明確にトレンド転換シグナルが発生するまでは継続しますよ。という内容です。
上昇トレンドは高値を更新し続ける。下降トレンドは安値を更新し続けることを指します。どこかのタイミングで、高値を更新しなかった場合”上昇トレンドは終了する”。また、どこかのタイミングで安値を更新しなかった場合”下降トレンドは終了する”。といった、感じで明確なシグナルが無い限りトレンドは続きますという原則になります。
ダウ理論が活かされる手法
ダウ理論は6つの原則によって成り立っています。また、ダウ理論はテクニカル分析の根底になっています。
そんなダウ理論が活かされる取引手法は、何になるのかという点を解説していきます。
トレンドライン
ダウ理論はトレンドについて多く提言されています。
トレンドラインを読んで取引すると、ダウ理論が活かされます。
MT4・MT5には、ZigZag(ジグザグ)という簡単に高値安値が分かるインジケーターがあります。
ZigZag(ジグザグ)をみて、高値を更新した上昇トレンドを掴み、高値更新せずにトレンド転換するシグナルを確認するのに便利です。
高値安値を読むのが分からない。という初心者でも簡単にトレンドを確認することが可能なので是非試してみてください。
ダウ理論 まとめ
今回はテクニカル分析の根本ともいえる、ダウ理論についての内容となっています。
ダウ理論は為替相場取引において重要な事を多く提言しているので、必ず覚えておきましょう。
特に、主要トレンドは3段階あるという項目の、先行期で取引が出来るよう、トレンドの始まりで取引するのが重要となっております。
“先行期で取引をして、利食い期で利確する。”
また、明確なシグナルが発生するまではトレンドが継続するという事から、インジケーターにZigZagを表示し、トレンド方向にエントリーをして、トレンド転換のシグナルが出たら逆張りをする。こんな感じで取引を行ってみてもいいと思います。
ダウ理論は多くのトレーダー及び投資家が基礎にして取引を行なっています。そのくらい為替相場において“常識”となっているので、必ず覚えましょう。
ダウ理論を理解し、知っていると取引に活かされます。
以上で今回の記事を終わりにします。
ありがとう御座いました。
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